新NISAについて投資をしたことがない初心者の方にもわかりやすく会話形式で解説しています。登場人物は、物知りなおじいちゃんとユズちゃんです。
毎月の積立金額3万円、想定利回り(年率)5%、積立期間20年の場合
おじいちゃん、最近テレビでも新NISAってやってるけど、あれは何なの?
新NISAは、2014年に始まったNISA(少額投資非課税制度)のリニューアル版で、2024年からスタートするんだ。この制度は、特に長期の積立・分散投資を促進するために設計されているよ。
積立投資ってなに?
積立投資とはね、毎月決まった金額を投資する方法のことだよ。これによって、長期的に資産を増やしていくんだ。もちろん、いつでも金額は変更できるし、例えば価格が高いときは少なくして、価格が低いときは多くするということも可能だよ。
積立投資って、積立預金や定期預金と何が違うの?
積立投資はね、積立預金や定期預金とは大きく異なるんだよ。積立投資は、株式や債券、投資信託などの金融商品に定期的に一定額を投資すること。要するに、お金を貯めるのではなく、お金を使ってさらにお金を増やそうとする行為だね。
積立預金や定期預金は、銀行にお金を預けて、その預け入れたお金に対して決められた利息を得ること。これらは元本が保証されており、リスクが非常に低い。ただし、その分利息も低めに設定されていることが多いんだ。
一方で、積立投資は、市場の動きによって投資した金融商品の価値が変動するから、リスクが伴う。でも、そのリスクを受け入れることで、預金よりも高いリターンを期待できる可能性があるんだよ。
なるほど、積立投資はもっと積極的にお金を増やそうとするものなんだね。
積立投資は、長期的な視点で市場の波に乗って資産を増やしていく戦略だよ。市場が下がったときには、安く買えるというメリットもある。だから、時間を味方につけて、じっくりと資産を増やしていくことが大切なんだ。
でも、リスクがあるってことは、損をすることもあるの?
うん、その通り。投資には常にリスクが伴うから、損をする可能性もあるんだ。でもね、分散投資を心がけたり、長期間投資を続けることで、リスクを軽減することができるよ。大事なのは、自分の投資目標やリスク許容度をよく理解することだね。
でも投資リスクがあるなら、新NISAをやらずに貯金だけしてたらいいんじゃないの?
うん、貯金だけでもいいんだけど、新NISAをやらないことも逆にリスクがあることなんだよ。
将来的な日本も不安だけど、今を見てもわかるように、給料も上がらず景気も良くなってないよね。いくつか新NISAをやらないリスクについて話をすると、
- 将来的なインフレリスク。
長期にわたって投資を行わないと、手元の資金の実質価値がインフレによって減少してしまうリスクがある。つまり、同じ金額が将来では今よりも少ない物を買うことしかできなくなる可能性があるんだ。 - 長期的な資産形成の機会の喪失。
投資を行わずに資金を預金などの低利回りのものに留めておくと、長期的に見たときに資産形成の大きな機会を失うことになる。特に、若いうちから始める投資は、複利効果によって将来的に大きな資産を築く基盤となるんだ。 - 税制優遇によって複利効果を最大限に活用。
新NISAを利用しないと、投資から得られる利益に対して税金がかかり、その分手元に残る利益が減ってしまう。税制優遇を受けることで、得られる利益を再投資に回し、複利効果を最大限に活用できる機会を逃すことになるよ。
インフレリスクをもう少しわかりやすく教えて
インフレはね、物価が上昇することを指すんだ。具体的には、食べ物や服、家賃といった日常生活で必要なものの価格が時間とともに上がっていくことを言うよ。
物価が上がると、どうして資産の目減りが起こるの?
いい質問だね。物価が上がるということは、同じ金額では以前より少ないものしか買えなくなるということだよ。たとえば、1万円で10個買えたものが、インフレによって1万円で8個しか買えなくなる、といった感じだね。
なるほど、だから貯金だけしてるとダメなのね。
正解だよ。貯金しているお金の価値も、実質的には減っていくことになる銀行預金も実質的に目減りしてるからね。だから、インフレに対抗するためには、お金を有効に働かせて、その価値を少なくとも維持、できれば増やすことが大事なんだ。
銀行預金は実質的に目減りしてるの?
その話はね、インフレの話とつながってくるよ。銀行にお金を預けると、確かに利息が付く。でも、その利息がインフレ率よりも低い場合、実質的な買い物の力、つまりお金の価値は減ってしまうんだ。
インフレ率って何?
インフレ率とは、物価上昇の割合を示す数字だよ。例えば、インフレ率が1年で2%だったとすると、去年100円で買えたものが、今年は102円でないと買えなくなるということ。つまり、物の価値は変わらないのに、お金の価値が下がるんだね。
じゃあ、銀行の利息が1%だったら?
そういう場合、インフレ率2%に対して銀行の利息が1%だと、実際にはお金の価値が1%減っていくことになるんだ。100円を預けても、1年後には実質的に101円にしかならない。でも物価は2%上がってるから、去年と同じものを買うには102円必要になる。だから、実質的には買い物の力が減ってしまうんだよ。
なるほど、だから今のままではダメなんだね。
じゃあ、どうやって資産を増やすの?
投資が一つの手段だよ。株式や不動産、金(ゴールド)など、インフレ率以上に価値が上昇する可能性のある資産に投資することで、資産の価値を守り、増やすことができるんだ。もちろん、リスクはあるけれど、賢く投資することでインフレに打ち勝つことができるよ。
そうなんだ。
新NISAで投資できるものって何があるの?
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があって、つみたて投資枠では年間120万円まで、成長投資枠では年間240万円まで投資ができるんだ。投資対象としては、投資信託やETF(上場株式投資信託)などがあるよ。
投資信託とETFって何?
投資信託は、多くの人からお金を集めて、そのお金で株や債券に投資する仕組みだよ。ETFは、株式市場で売買される投資信託の一種で、特定の株価指数に連動するように運用されるんだ。
専門用語ばかりでよくわからない。
もうすこしわかりやすく、ETF(上場株式投資信託)について教えて
もちろんだよ、ゆずちゃん。ETFについて、もっと簡単に説明しよう。
ETF、つまり「上場株式投資信託」とはね、株式のように証券取引所で自由に売買できる投資商品のことだよ。でも、一般の株式と違って、ETFはいろんな株や資産に分散投資しているんだ。
分散投資って何?
分散投資とは、リスクを減らすために、お金をいろいろな投資先に分けることを言うんだ。例えば、一つの会社だけではなく、いろんな会社の株や、時には国の債券にも投資すること。これによって、一つの投資が悪くても、他でカバーできる可能性があるんだ。
なるほど、でもどうしてETFがいいの?
ETFのいいところは、手軽に分散投資ができることだよ。自分で一つ一つ投資先を選ばなくても、ETFを買うだけで、多くの企業や資産に自動的に分散投資できるからね。さらに、ETFは証券取引所で株と同じように売買できるから、とても便利なんだ。
でも、ETFにもリスクはあるの?
そうだね。投資する株式や資産の価値が下がれば、ETFの価値も下がるよ。だから、投資する時は、そのETFがどんな資産に投資しているかをよく調べることが大切だよ。
投資信託とETF(上場株式投資信託)は何が違うの?
いい質問だね、ゆずちゃん。投資信託とETFは似ているけど、いくつか大事な違いがあるんだ。
まず、投資信託はプロの運用管理者が投資家から集めたお金を使って、株式や債券などに投資する仕組みだよ。投資家は、投資信託の口数を買って、その運用成果の一部を受け取ることができるんだ。
ETF | 投資信託 | |
---|---|---|
上場の有無 | 上場 | 非上場 |
リアルタイム購入 | できる | できない |
コスト | 低い | 高い |
売買価格 | その時の価格 | 1日に決められた基準価格 |
うん、わかった。じゃあETFは?
ETFも基本的には投資信託の一種だけど、大きな違いは「上場していること」だね。ETFは証券取引所に上場しており、株式のように市場で自由に売買できるんだ。これにより、投資信託と比べて、手軽に買ったり売ったりすることができるよ。
そうなんだ。他に違いはあるの?
うん、あるよ。一つは、価格の決まり方だね。投資信託の価格は、1日の終わりに計算される「純資産総額(NAV)」に基づいて決まる。でも、ETFの価格は、株式と同じように市場での供給と需要によって、日中も変動するんだ。
なるほど、ETFの方が柔軟性が高いんだね。
その通りだよ。そして、もう一つの違いは「手数料」だね。ETFは、投資信託に比べて運用管理費用が低い傾向があるんだ。これは、ETFがアクティブに管理されることが少なく、インデックスに連動する形で運用されることが多いからだよ。
低い手数料で投資できるのはいいね。
だから長期的なコストを考えると、ETFはとても魅力的な選択肢になるよ。ただし、投資はそれぞれの目的やリスク許容度に合わせて選ぶことが大事だから、自分に合った投資方法を選ぶようにしようね。
新NISAの始め方
1. 対象となる金融機関を選ぶ
新NISAを始めるには、まず証券会社の口座を開設する必要があります。
何もわからない場合は、人気で口座開設数の多いSBI証券や楽天証券で口座開設しておけば間違いありません。
2. 口座開設の申込み
選んだ金融機関のウェブサイトからオンラインで申込みが可能です。必要な書類(身分証明書等)を用意しましょう。
3. 投資対象の選定
新NISA口座が開設できたら、次は投資する商品を選びます。リスクの許容度や投資目標に応じて、株式やETF、投資信託などから選択しましょう。分散投資を心がけることでリスクを抑えることができます。
4. 投資の開始
商品を選んだら、実際に投資を開始します。新NISAでは、年間一定額までの投資が非課税となりますので、この枠内で計画的に投資をしましょう。
新NISA(ニーサ)は、「新しい少額投資非課税制度」という意味で、2024年に日本で開始された新たな投資促進策です。この制度の目的は、個人投資家が株式や投資信託などの金融商品に投資した際の利益(配当金や売却益)に対して、非課税(税金がかからない)とすることにより、より多くの人々に投資を促し、個人の資産形成を支援することにあります。
新NISAは、従来のNISA制度を改良し、より利用しやすく、また投資の選択肢を広げることを目的としています。
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